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代表コラム約6分

「光でがんを治す」という希望――ステージⅣの治療を経験した私が考えること

光免疫療法の記事をきっかけに、がん治療を経験した真宅克典が、新しい治療への希望と、情報を正しく受け止めることの大切さを考えます。

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新しい治療のニュースを、自分のこととして読む

『光でがんを治す』。光免疫療法についての記事を読み、あらためてがん治療の進歩について考えました。病気を経験する前と後では、こうしたニュースの受け止め方も違います。治療の選択肢が増えるという話は、私にとって遠い世界の出来事ではありません。

私は原発不明がんと診断され、中咽頭がんに準じた治療を受けました。ステージはⅣ。手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験し、味覚の障害や口の中の痛み、食事ができないつらさとも向き合いました。

だからこそ、新しい治療の話題には希望を感じます。同時に、患者さんやご家族の期待が大きい話だからこそ、伝える側にも慎重さが必要だと思っています。ここでは、私自身の経験と感想、確認できた医療情報を分けてお伝えします。

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光免疫療法は、どのような治療なのか

国立がん研究センター東病院の説明では、光免疫療法は薬剤と光を組み合わせる治療です。がん細胞の特徴を目印に結合する薬剤を投与し、その後、腫瘍にレーザー光を当てます。薬剤が結合した細胞を選択的に破壊する仕組みです。

国内では2020年に一部の頭頸部がんに対して承認され、保険診療で行われています。頭頸部とは、口やのどなどを含む領域です。光を使うという印象的な言葉だけでなく、薬剤と照射を組み合わせる専門的な治療であることを理解したいと思います。

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同じステージⅣでも、選べる治療は同じではない

PMDAの患者向医薬品ガイドに記載された対象は、手術で切除できない、局所で進行した、または局所再発した頭頸部がんです。化学放射線療法などの標準的な治療が可能な場合は、それらが優先されると説明されています。

ステージⅣという言葉だけで、光免疫療法を受けられるかどうかは決まりません。私と同じステージであっても、がんの種類や広がり、これまでの治療、体の状態が違います。私自身にこの治療が適していたかどうかも、この記事で判断することはできません。

国立がん研究センター東病院は、画像を基に血管への影響などを確認し、適応を慎重に検討すると説明しています。出血の危険性が高い場合は使えません。新しい治療にも、受けられる条件とリスクがあります。

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大きな数字ほど、その条件を確かめたい

今回の新潮QUEの記事には、上咽頭がんの限られた症例で『完全寛解84%』という結果が報告されたと書かれています。ただし、記事自身も対象人数が少なく、すべての患者さんに当てはまる数字ではないと説明しています。

本記事では、その報告の原著論文や詳しい追跡期間まで確認できていないため、一般的な治療成功率としては扱いません。また、上咽頭がんについての報告を、私が治療を受けた中咽頭がんにそのまま当てはめることもできません。

完全寛解という評価と、その後も再発しないことや長期的な治癒は、同じ意味ではありません。何人を対象に、どのような条件で、どれだけの期間を見た結果なのか。その確認があって初めて、数字の意味が見えてきます。

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希望を、診察で話せる具体的な質問にする

私は、新しい治療のニュースを読むことには意味があると思っています。選択肢を知ることが、主治医との会話につながるからです。ただし、ニュースを読んだだけで、今の治療を中断したり変更したりする判断はできません。

診察では、『私のがんは対象になりますか』『今の治療との違いは何ですか』『期待できる効果と主なリスクは何ですか』と尋ねる。必要があれば、主治医に相談したうえで専門施設のセカンドオピニオンを検討する。そうした具体的な行動につなげたいと思います。

国立がん研究センター東病院では、食道がんに対する光免疫療法の治験も案内されています。研究が進むことと、すでに保険診療で受けられることは分けて考える必要があります。研究中の可能性を、現在の確立した選択肢として受け取らないことも大切です。

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治療を支える生活にも、目を向ける

治療を経験して、体のつらさと日々の生活は切り離せないと感じました。食事、通院、仕事を休む期間、家族の負担。治療の選択肢を知ることと一緒に、生活をどう支えるかも考える必要があります。

保険代理店として私たちができるのは、治療法の適否を判断することではなく、契約内容や給付条件を確認し、経済面の備えを整理することです。新しい治療の名称だけで保険金が出ると決めつけず、加入している契約ごとに確認します。

新しい治療に希望を持つ。その希望を、確かな情報と医師との対話につなげる。がんを経験した一人として、私はその両方を大切にしていきたいと思います。

本記事は筆者の闘病経験と公開情報を基にしたコラムで、個別の診断や治療を勧めるものではありません。治療の適応や変更は、主治医や専門医にご相談ください。
情報源

※情報の確認日は2026年10月6日です。『完全寛解84%』は報道記事で紹介された限定的な結果で、原著論文の条件を本記事では確認できていません。全患者に共通する治療成功率や完治率ではありません。

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