家を守る備えと、家族が動ける備え――防災は家から始まる
国際防災デーの国連発表をきっかけに、住まいの備えと家族の避難計画、保険の確認を暮らしの中で考えます。
住まいを失うと、暮らしの土台が揺らぐ
10月13日は国際防災デーでした。国連防災機関UNDRRが示した2026年のテーマは「Resilience Starts at Home」。ここでは、「防災は家から始まる」と受け止めて考えてみたいと思います。
同日の発表によると、各国が仙台防災枠組のモニターを通じて報告した災害の直接経済損失のうち、住宅が43%を占めています。日本だけの数字ではなく、世界のすべての災害を漏れなく集計した数字でもありません。
それでも、住宅の被害が暮らしに及ぼす影響を考える材料になります。家は建物という財産であると同時に、食事をし、眠り、家族と生活する場所です。被害を受けると、日々の生活をどう続けるかという問題も生まれます。
家に何があるかより、家族がどう動くか
水や食料、懐中電灯を用意している家庭は多いと思います。備蓄を確かめる機会に、避難先と連絡方法も一緒に確認してみるのも一つの方法です。
内閣府は、日頃から自治体のハザードマップを確認し、避難場所、避難経路、家族との連絡手段を決めておくよう案内しています。自宅にいるときだけでなく、仕事中や外出中など、家族が離れている場合も考えておきたいところです。
「何かあったら電話しよう」で終わらず、電話がつながらないときには何を使うか、誰に伝えるかまで話しておく。決めたことを家族が見られる場所に残しておけば、いざというときに一から相談する負担を減らせます。
同じ家庭でも、必要な準備は違う
家族の中に、歩くことや情報の確認に手助けが必要な方がいれば、移動にかかる時間や支援の方法も考えます。私自身も治療後に身体の不自由さを経験し、普段なら簡単にできることが難しくなる感覚を知りました。
ペットと暮らす家庭では、連れて移動する準備や、避難先での受け入れ条件の確認も必要です。我が家にも犬がいます。人の持ち物だけでなく、家族に合わせて何が必要かを具体的に考えることが大切だと思います。
避難する場所や時期は、災害の種類、自宅の立地、家族の状況によって変わります。決めた一つの場所へ必ず向かうのではなく、自治体の最新情報を確認し、危険な移動を避ける判断も含めて備えておきたいものです。
建物と家財、契約の中身も確かめる
家の備えを見直すときには、加入している保険も確認しておきましょう。建物と家財のどちらが対象になっているか、どのような原因による損害が補償されるか、自己負担額があるか。契約内容を見て、自分の住まいと合っているかを一つずつ確認していきます。
保険は、契約で定めた損害への経済的な備えです。避難の判断や家族の安全確認は、日頃の準備が担います。保険があるから安心と確認を終えず、住まいと行動の備えを一緒に考えることが大切です。
宇部で暮らす私たちも、まずは自宅周辺のハザードマップを家族と見て、連絡がつかないときの方法を一つ決める。大がかりな計画を作る前にも、今日できる確認があります。
家を守ることと、家族が安全に動けること。その両方を、普段の暮らしの中で少しずつ確かめておきたいと思います。備蓄を点検する次の機会に、避難先と連絡方法も、家族で話してみませんか。
- UNDRR|UN calls for greater investment in housing resilience as homes account for 43% of reported disaster losses(2026年10月13日公表/10月14日確認)
- 内閣府|地震が発生したらすぐに避難するための備えとは?(2026年10月14日確認)
※情報の基準日は2026年10月14日です。43%は各国が報告した直接経済損失に占める住宅の割合で、個々の住宅の被災確率を示すものではありません。避難は災害の種類と自治体等の最新情報、ご家族の状況に応じて判断してください。ペットの受け入れ条件は避難先により異なります。保険の補償は契約内容によって異なり、本記事で個別の保険適用を判断するものではありません。
